ヒトでの実証実験4


魚肉ペプチド摂取によるヒトのアレルギーへの影響

実験協力&データ提供:関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 福永健治教授

【背景】
これまでに多くの動物実験や高齢者を対象としたヒト臨床学的試験が行われ、魚肉ペプチド(FP)摂取の有用性が明らかにされている。本研究では、一般に生活するヒトを対象にしたアレルギーに及ぼす影響を明らかにするため、FP摂取によるアレルギー発症関連物質の変化および自覚症状について調べた。 


【方法】
対象 一般健常者26人(男性13人、女性13人)
FP摂取 FPを85.6%含む錠剤(他に賦形剤等を含む)を1回5錠ずつ、1日2回(総ペプチド含量は2.82g)、8週間継続摂取
測定 FP摂取前、摂取開始4週間後、8週間後に血液検査を行い、免疫グロブリンE(IgE)、TARC* (Thymus and activation-regulated chemokine)量を測定し、アレルギー自覚症状を4段階(4が症状が最も重い)で評価した。

※TARC:アトピー性皮膚炎の症状の程度を示す指標で、成人では基準値が450未満、軽症700未満、中等症700以上が病状判定の目安となる。


【結果】
8週間のFP継続摂取によって、


・アレルギー症状とともに値が高くなるIgE量は有意に減少した(図1)。
・アトピー性皮膚炎の重症度評価の指標となるTARC値も有意に減少した(図2)。
 


・アレルギー自覚症状も有意に減少した(図3)。
 
 


【まとめ】
アレルギー発症関連物質が減少し、自覚症状も緩和されることから、FPの継続摂取によってアレルギー症状が低減されることがわかった。